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2018/11/12

無力感を克服するためのヒント①:ネルソン・マンデラに学ぶ


さて、今回は、
無力感、がテーマです。

特に、
自分より、
いろいろな意味で
力を持っている相手から、
ダメージを与えられ続ける。

そんな中で、
もはや、怒りを通り過ぎて、
何をやっても無駄だ…
自分にはもはや
どうすることもできない…
という無力感にさいなまれる。

そして、
そのダメージが続く。
そんな、無力感ですね。

これ、診療の中で、
すごくたくさん、遭遇します。
例を挙げれば、キリがありません。

・・・

まず、職場でのパワハラ

上司であれば、
何でも許されるのか?
と耳を疑う状況が、
実際にあるんですね。

腹の虫のいどころ次第で、
人格を否定するように
罵倒されたり、
一貫性のない評価が
下され続けたり。

上級の上司に相談しても
見て見ぬフリ。

2ヶ月間、がんばったが、
ある日、もう
こころも体も動かず、欠勤。

生まれて初めて精神科を受診し、
うつ病と診断されて、
自宅療養に入る…。

・・・

そして、
自分の父や母が、
そんな上司と同じだった、
という状況も、多いです。

この場合、そのパワハラは
その父や母が生きている限り
続きます。

この親は、もう、
何をどう言っても変わらない…
とにかく、一刻も早く
実家を出ることに
すべてを賭けていた…。

あるいは、
それも叶わず、
ただ、耐えている…。

そんな方、たくさん
相談に乗ってきました。

・・・

さらに、自分の夫が、
そんな上司と同じだった、
という状況も多い。

離婚したくても、
自分には経済力がない。

加えて、
せめて子供が
大学卒業するまでは…
結婚するまでは…
離婚するわけにはいかない…。

夫との生活には何も
期待を持たず、
ただ、家政婦として
やっていくだけ…。

・・・

これらの例に共通するのは、

力を持つ者が、
その力を乱用し、

力を持たない者が
しいたげられ、
無力感に陥る、

その結果、
その乱用とダメージが続く、

という構図です。

この構図が
あまりにも多いので、
なんとか脱出の方法はないか、
小椋は、ずっと、
思案し続けてきました。

・・・

そして、出会ったのが
ジュリー・ダイアモンドという
セラピスト/コーチの手になる
『パワー:ユーザーズガイド』
という本です。(邦訳なし)

パワー(power)とは、
この場合、
「権力」という意味に近いです。

この本は、読者として、
組織のリーダーなどを想定していて、

権力を持つ者が、
いかに、その力を「堕落」させないで、
有効に活かすか、
その具体的なポイントを
まとめています。

※その本では、
権力について、
それを乱用したり、逆に、
必要な時に行使しない、などの結果、
組織がうまく機能しない場合、
その権力は「堕落(corrupt)」している、
と表現されます。

まさに、先程の
パワハラ上司に学んでもらいたい!

と同時に、その本には、
権力を持たない者が、
その無力感から
いかに脱出するか、
そのヒントも、つまっています。

それを、
これから数回にわたって、
シェアしていこうと思います。

・・・

今回は、まず、
その本に紹介されている、
南アフリカ共和国の元大統領、
ネルソン・マンデラのエピソードを
お伝えしますね。

人種隔離政策(アパルトヘイト)が
施行されていた時代、
彼は、
終身刑の政治犯として投獄されました。

27年間…
(2.7じゃないです!)

わらのマットがあるだけの、
2m×2.5m程度の
コンクリートの独房の中で、
寝起きさせられたのです。

その間、白人の看守は、
彼をののしり、
彼に暴行を続けました。

彼は、
社会的地位や、
家族や仲間との交流を奪われた上で、
パワー(power、「権力」)に
しいたげられ続けたのです。

それでも、彼は、
自分の立場を「教育者」と
考えていたようです。(!)

他の囚人や、看守、そして
時の政府に対しての。

「この試練を自分は、
教育の機会と考えていた」と
自伝で述べています。

もちろん、
最初から、そうではなかった。

怒りや悲しみの感情に
うちふるえた時期もあったようです。

でも、最終的には、
通信教育で法学の学士号を取得したり、
敵対勢力が用いている言語を修得したり、

とても、獄中で、
無力感にさいなまれていた、
という状況にはなかった。

・・・

彼の27年間を支えたのは、
一体、何だったのでしょうか?

それを、
知りたくありませんか?

『パワー:ユーザーズガイド』では、
それを、
personal power(パーソナル・パワー)
呼んでいます。

権威や地位を奪われた状態でも
その人、個人から発する、
周囲に影響を与えることのできる、
「力」とうい意味ですね。

一方で、
彼を27年間、
独房に閉じ込めた「権力」は、
positional power(ポジショナル・パワー)
呼んでいます。

社会的な権威や地位に由来する
「権力」という意味ですね。

・・・

ネルソン・マンデラほどでなくとも、
この、
personal power(パーソナル・パワー)が
自分の中で、
育っていけば、

職場や家庭で、
日々さいなまれる無力感に、
立ち向かうことが、
できるはずです。

次回は、
この続きから始めましょう。

・・・

力を持つ相手からの仕打ちに
無力感を抱く時、

Do:
ネルソン・マンデラから
学んでみる。

Don’t:
ネルソン・マンデラだから
できたんだ、
自分には無理だ、と
あきらめる。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。