障害年金の相談

障害年金の相談

障害年金とは

障害年金とは

障害年金とは、公的年金の一つです。事故や病気が原因で障害を負った方へ、国から年金が給付される制度です。
うつ病、統合失調症などの精神疾患も対象となります。
「重度の障害のある人だけがもらえる」と誤解する方が、患者さんだけでなく、精神科医の中にもいます。
日常生活を送る上で何らかの支障があれば、対象となる可能性があります。
就労している方でも、病状次第では、給付されます。
当院では、障害年金の適正な受給を、患者さんの療養環境の整備の一環として、重視しています。
経済的な安心感は、病状の改善に、極めて重要だからです。
障害年金受給までの実務

障害年金受給までの実務

これが、かなり煩雑です。
  • 1.受給要件の確認

    年金加入記録を確認し、保険料が納付されているか、チェックする必要があります。
  • 2.初診日の確定と、初診証明の入手

    医師が作成する年金診断書は、初診日から一年半後にも、障害が続いていることを証明する書類です。
    なので、この初診日の設定と、その初診証明が、書類上、とても重要になります。
  • 3.病歴・就労状況等申立書の準備

    これは、原則、本人が用意する書類です。
    患者さんの中には、医師が診断書を書けばそれで終わり、と勘違いされている方もおられます。
    この申立書の作成は、なかなかの手間です。
  • 4.医師による障害年金診断書の作成

    これは、本人が、年金受給の対象となる疾患に罹患していること、及び、その疾患による生活の支障の程度を証明する書類です。これら、すべてが一貫性をもって用意できて、初めて、申請が可能になります。
    審査は、書類のみで行われるので、いかに入念に準備されているかで、すべてが決まります。
当院は、①〜③に関しては、必要に応じて、専門知識をもった信頼できる社会保険労務士の先生をご紹介し、完璧を期しています。
障害年金にまつわる精神科医療の現状

障害年金にまつわる精神科医療の現状

まず、患者さん自身が、障害年金の存在自体をご存じない場合が、とても多いです。
当院では、治療的意義がある場合、受給の提案を積極的に行っています。

それに加えて、残念なことですが、精神科医自身が、障害年金の実務や意義についての理解が乏しい場合が、非常に多い。

その結果、
・「あなたは、障害年金はもらえない」と主治医に言われた。
・申請したが不支給となった。
などでお困りの患者さんが、当院にご相談に来られます。
精神科医に必要なスキル

精神科医に必要なスキル

受給が妥当な病状の患者さんに、ちゃんと通る診断書を用意するには、精神科医に、そのスキルが必要です。
  • 正確な診断

    学会の症例発表で提示しても遜色ないレベルで、診断の根拠を、実際の病歴から抽出し、説得力のある記載をしています。
  • 日常生活や、労働能力についてのしっかりした評価

    ・その病状が、どの程度、日常生活にダメージを与えているか。
    これを評価するには、患者さんの立場に立って、その世界に身を置くぐらいに迫らないと、見えてきません。
    ・「こんなに病状が軽く見られていたんだ」と、前医の不支給の診断書を持参し相談にこられる患者さんも多いです。
良質の診断書だからこそ、次のような、治療的意義が伴ってきます。
障害年金受給の治療的意義

障害年金受給の治療的意義

もちろん、第一は、療養生活の経済的な保障が得られることです。
しかし、それ以外にも、大切な治療的意義があります。
  • 患者さんの自立を促す

    いつまでも保護者からの経済的な援助に頼ることは難しい。
    だから、年金受給が、経済的な自立への一歩となり、自分の力で人生を切り開いていくきっかけとなるケースが多いです。
  • 病歴の振り返り

    当院では、患者さんやご家族から、闘病生活の実情について、詳しくお話しを伺った上で、診断書を入念に作成しています。
    場合によっては、ご本人に内容をチェックしてもらうことすらあります。
このような共同作業で出来上がっていく診断書は、いわば、障害年金診断書のカタチをとった、精神科医療の観点からの、等身大の自画像、と言えます。
時に、年金を通すだけなら、もっと簡略でもよい部分も、患者さんが自身の病状を理解するにあたって重要な部分は、治療的な意義をもって、書き込んでいます。

このような診断書の作成プロセスとその成果が、病識改善の大きな転機となるケースも多いです。

闘病生活は、つらいですが、決して、無意味ではありません。その意味をくみ取るために、病歴を振り返ることは、とても大切です。
その重荷を、国家も認めてくれます。それを確認できる、障害年金診断書。
自分の未来のために、一緒に、取り組んでみませんか?