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2020/04/05

スピリチュアル・リテラシー入門⑩:フロー(flow)の状態を手がかりに



さて、
スピリチュアル・リテラシー入門の
10回目です。

前回は、こちら↓

前回は、SQ21
・No.11「宇宙を司る超越的な何ものかを体験する」
という体験の具体例として、

月面着陸を果たして
地球への帰路についた
ミッチェル宇宙飛行士の、

天空のパノラマを目撃した時の
体験をシェアしました。

その体験を整理すると、

A:クリアな意識状態の中で、
自分と周囲を区別する認識が消失し、

B:そこに、自分をも周囲をも司る、
自分を超えた存在を感知し、

C:自分はその存在の一部である、
と悟る体験、

となりましたね。

今回は、
この整理を頼りに、私たちでも、
その片鱗が体験できないものか、
探ってみましょう。

・・・

まず、A

なのですが、このAが
一番のポイントだろうと思います。

実は、このAの状態は、
心理学で「フロー(flow)」と呼ばれる
意識状態に、
ちょっと似ています。

フローとは、
ある活動に、高度に集中した時、
自分の意志と、その活動とが、
見事に一致し、
高度なパフォーマンスを
示すことができる意識状態、ですね。

スポーツやビジネスの世界で
よく使われる用語です。

例えば、架空の、
あるバスケ選手のプレーを
紹介します。

・・・

ボールが手に吸い付くように
ドリブルしつつ、

味方と敵の位置が
まるで、天井のカメラから
俯瞰しているかのように
見えていて、

味方が動きはじめる直前に
弾丸のようなパスを出し、

自分は稲妻のように敵に切り込んでは、
味方から再び、パスをもらって、

フェイントを一発いれて、
垂直に飛び上がり、
ボールを放つと、

吸い込まれるように
スリーポイントシュートが
決まる・・・。

まるで、
自分のからだも、
足の裏と、手のひらの感覚も、
バスケットシューズも、
ボールも、床も、
敵も、味方も、

そのすべてが
網をゆらす放物線に
集約されていく、
バスケの神が降りてきたような
パフォーマンス。

味方に肩をたたかれながら、
そのバスケ選手が一言、

オレ、
外す気がしねーよ。

・・・これ、フロー状態
ですね。

※小椋は全く、
バスケ、できません。
20代、スラムダンクの
読み過ぎです(苦笑)

・・・

このバスケ選手の
このプレーでは、

A:クリアな意識状態の中で、
自分と周囲を区別する認識が消失し、

ということが、起きています。

イメージ、できますか?

自分と周囲を区別する認識が消失する、
という状態は、

ボーッとした、つまり、
意識レベルが低下した状態じゃないと
ありえないんじゃないか、
そう、思いますか?

例えば、

眠気が強い場合、
飲酒している場合、
違法薬物を使用している場合、
などなど。

Aの状態は、
それとは全く、異なります。

・・・

いわば、
自分の意識が、周囲の中に
「入りこんでいく」
感覚です。

このバスケ選手の場合なら、
自分の意識が、

足の裏や手のひらなど
自分のからだのすみずみまで、

バスケットシューズや、
ボールや、床のすみずみまで、

敵の存在や、
味方の存在のすみずみまで、
「入り込んでいる」わけです。

入り込んだ結果、

自分の意志が、
間髪入れず、周囲に反映され、

周囲の状況が、
間髪入れず、把握できる。

そういうかたちで、
自分と周囲が
一体となっている、

そういうかたちで、
自分と周囲を区別する認識が
消失している。

・・・

この、
フローという観点から見ると、
ミッチェル宇宙飛行士の体験は、
どう、説明できるでしょうか?

彼が「入り込んだ」
「周囲」とは、
何だったのでしょうか?

一つは、
知識、ですね。

宇宙が生まれ、
元素が生まれ、
星が生まれ、
分子が生まれ、
それが、原初の生命となり、
ヒトにまで進化する、

宇宙物理学と進化生物学が語る
壮大なストーリーです。

もう一つは、
生死を伴にする
同僚の宇宙飛行士です。

彼らにも、
熱い思いがあり、
家族があり、
この宇宙船内に肉体があり、

この大計画のために
自分と一緒に過ごした
かけがえのない
時間の歴史がある。

そして、もう一つは、
天空のパノラマ

徐々に遠のいていく、
月。

だんだん大きくなる
地球。

それらを、
漆黒の闇の中から照らす、
太陽。

これらの「周囲」に
彼が「入り込んだ」時、

分子、
というキーワードを軸に
一気に、

知識と、
同僚と、
パノラマとが、

彼自身と
一体となったのです。

彼の場合の
「高度なパフォーマンス」とは、

バスケ選手の放物線とは
異なりますが、

この宇宙を生み出した
何ものかの存在を悟る、という
認知の変化だったと言えます。

・・・

人は死んだら
無になるという見方で
苦しんでいて、

SQ21の
・No.11「宇宙を司る超越的な何ものかを体験する」
に取り組む時、

Do: 
その体験は
フローという状態と
関連があると知り、
その状態は自分の生活の中で
どのような状況なら起きうるかを
探ってみる。

Don’t: 
フローという状態は
自分には無縁だと速断する。

長文、
ご苦労さまでした。

フローという状態は、
自分の意識がそこに入り込む
「周囲」として、
何を設定するか、
それが、自分の特性に合っていないと、
なかなか、訪れません。

バスケが苦手な人が、
どんなにスラムダンクを読んでも、
バスケの中で
フローの状態にはなれません。

今回は、
ミッチェル宇宙飛行士の体験を、
バスケ選手の
フローの状態と比較することで、
少しでも馴染みやすいものにする意図が
ありました。

次回は、さらに、
私たちの実際の生活の中で、
どんな状況を用意すれば、
フローに近づけるのか、
具体的に探してみましょう。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。