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2021/04/25

HSPとは何か⑭:8つの教訓 その1



さて、HSPのシリーズ、
いよいよ、大詰めで、
14回目になります。

前回は、こちら↓

そこでは、
カタ目さんは、実は
回転が得意な一方、いじめられてもいた、
というエピソードから、

教訓をさらに3つ、
引き出しました。

今回は、それを含めて、
このシリーズ全体を、

療養生活に活かせる教訓、
という観点で、
総ざらいしてみましょう。

全部で、
8つ、あります。

・・・

1:自分の劣位機能を
優位機能だと誤認しない

その誤認のきっかけに、
HSPという用語がなり得る、
という問題意識が、
このシリーズの出発点でした。

例えば、

ある領域に対する「感じる」
開発されていないから
「過敏」と認識すべきなのに、

それを、開発されている
「繊細」と、誤認する。

あるいは、

ある領域に対する「考える」
開発されていないから
「結論が出せない(ヘルシーではない思考)」
認識すべきところを、

「思慮深い」と、誤認する。

この区別を
クリアに自覚できるように、

シリーズの前半では、
HSPという用語を徹底的に分析し、

後半では、
架空のOL、四人に
登場してもらったわけです。

でも、実は、
このような誤認って、
HSPという用語が広まるまでは、
それほど、療養生活で、
みかけませんでしたね。

逆に言うと、
劣位機能を、
優位機能だと思えることが、

それほど、人のこころを
楽にするか、
という証拠になる、
とも言えます。

・・・

2:優位、劣位を評価する際は
その機能を具体的に特定せよ

これも、シリーズ全体を通じて
お伝えしています。

直近の話題では、
股関節の硬さは劣位だが、
腰椎の位置は優位だった、
カタ目さんの「動く」について、
でしたね。

でも、HSPの話題を離れても、
この特定は、重要です。

療養生活の中で、
つらい症状への対処法を
開発してゆく途上で、

例えば、
瞑想法を練習する時、

自分は「感じる」が
劣位だから、
とても呼吸法なんてできない、

と一言で切り捨ててしまうと
もったいない。

呼吸法、という段取りの中の、
何が、感じにくいのか、
細かく、見ていくことを
オススメします。

すると、実は、
その段取りの中の、
特定の物事については、
感じることができる、
という場合が、あるからです。

ザックリと、劣位だ、
と認識していた中に、
ちょっと、優位があったりする、
ということです。

めんどくさいですが、
この手間が、
結果の違いを生み出します。

なので、
診察では、そうしています。

・・・

3:優位機能を劣位機能の
改善に活かす

これは既に、
自閉症スペクトラム障害の方の、
感情リテラシーの向上のテーマで
お伝えしています。

が、この教訓は、
療養生活のあらゆる局面で、
そうするしかない、
というぐらいの、大方針ですね。

前述の呼吸法の話題でも
同じことになります。

ある方が、
呼吸法はよくわからないが、
やっている最中に、
自分の心臓の鼓動の感じは、
わりと、よくわかる、
という状況が、あったとしましょう。

呼吸のいろいろな変化に
注目するのは、劣位でも

呼吸法では直接、注目はしない
鼓動に注目するのは、
ちょっとした優位、
ということです。

そこをとっかかりとして、
その方なりに、
自分の身体に注目し、

それを
緊張をゆるめるスキルに
育てていくことは、
できますね。

・・・

4:劣位機能に向き合うには
タイミングがある

これも、
HSPの話題を離れても、
療養生活全体に通じるものです。

向き合うに至る
プロセスは、人それぞれですが、

パターンとしては、
二つあります。

一つは、
もう、向き合う以外、
逃げ道がない状況に、
むりやり、ほおりこまれてしまう、
というパターン。

その状況の苦痛の方が、
向き合う苦痛を上回っていて、
向き合う方がまだマシ、
ということです。

これ、かなりしんどいですが、
人間、生き延びることは
できるようです。

もう一つは、
そこに劣位機能に向き合うという
課題があることが、
なんとなくわかっているが、
チラ見しては、
ちょっと置いておく、
ということができる状況。

その中で、
だんだん、自然に、
新しい課題に取り組むことができて、
あ、いま、自分は
向き合っているな、
と思える、
そんなプロセスが続く、
というパターンですね。

厳しいことを言うと、
後者を避けてきた方が、
前者に陥る、という傾向が
あるようです。

どちらが、いい、悪い、
ではなく、
もう、これは、
その人の運命的な、
人智を超えた部分が
あるように思います。

・・・

むむむ、
あと4つ残りました。

次回、残りの4つを
整理したあと、
総まとめとしましょう。

・・・

HSPが気になる時、
HSPであろうがなかろうが、

Do: 
自分の劣位機能と付き合うには
コツがあると知る。
(前回と同じ)

Don’t: 
自分の劣位機能と向き合う
タイミングが来ているのに
避け続ける、あるいは
タイミングが来ていないのに
向き合いつづけて
しんどくなる。
(前回と同じ)

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、 
ぜひ一度、お問い合わせください。