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2022/12/04

自己肯定感を上げるためのコツ⑭:自分軸と他人軸とが遠くに離れている場合



さて、
自己肯定感をテーマにした
シリーズ、その14回目です。

前回は、こちら↓

ダニエル的瞬間の必要条件、
1:自分軸が認知できる。
2:自分軸を信じることができる。
3:自分軸を持つことへの恐怖がない。
4:生存にかかわる現実と向き合っている。
5:他人軸と自分軸とがあまり遠くに離れていない。
6:他人軸の評価が特定の他者に大きく依存していない。

前回はその中の
4:生存にかかわる現実と向き合っている。
これを取り上げました。

今回は、
5:他人軸と自分軸とがあまり遠くに離れていない。
これについて
取り組んでみましょう。

・・・

この条件が満たされず
困る場合とは、

他人軸と自分軸とがあまりにも遠くに離れている、
という状況なのですが、

それって、具体的に
どんな場合でしょうか?

典型は、
自閉症スペクトラム障害や
注意欠陥多動性障害などの発達障害を
お持ちの方が、

社会的には認知度が低いが
自分にとってはものすごく興味のある、
特定の対象を大切にしている場合、
でしょう。

ある方は、
インセクトブリーダーという
職業に興味がありました。

皆さん、ご存知ですか?

ブリーダーというと、通常は
犬などのペットを繁殖させる
職業になりますが、

インセクトブリーダーは、
カブトムシクワガタムシなどの
繁殖に携わります。

一匹、数百円から
数千円程度のようですが、

種や大きさにより、
数万円などの高額で
取引されることもあるようです。

なんと、
それを専攻できる
専門学校もあるみたいです。

すごい・・・。

でも、
どんなにインセクトブリーダーの
スキルを身につけても、

以前よりきっと
社会的認知は
進んでいるのだろうが、

家族や
地域社会からの
わかりやすい評価を得ることは
なかなか
ハードルが高いだろう。

つまり、
自分軸での努力の結果が
他人軸の評価に反映される、
そこまでが遠い・・・。

時間的にもですし、
努力に見合った成果が得られるか、
という意味でも、遠いです。

小椋も、その方が
昆虫なら興味が持てる
という事情もよくわかるので、

なんとか応援したいのですが、
そして時代の流れは
ニッチな市場を求めているので、
一定の経済的収入を
期待できるように
なって来てはいますが・・・、

診察室からのみ応援するには、
限界があります、
残念ながら。

ニッチな市場
多数派には気付きにくい、
しかし潜在的なニーズはある
小規模な市場のこと。

・・・

このような状況で、
どのような工夫をすれば、

自己効力感を、
そして自己肯定感を
アップさせることが
できるでしょうか?

一つ、
作戦があります。

それは、
「大きな」他人軸での
評価のアップをいきなり
狙うのではなく、

「小さな」他人軸での
評価アップを目標にする、
という作戦ですね。

「小さな」とは、
先ほどの方の場合だと、

同じインセクトブリーダー仲間の、
ということになります。

「大きな」が
社会全体だとすると、

「小さな」は、
自分と同じ興味・関心を
持っているコミュニティ
ということになります。

これなら、
ニッチな自分の関心事を
価値観と評価基準に据えた
自分軸での努力が、

そう、遠くない、
そう、高くないハードルで
他人軸の評価に
結びつく可能性が
でてきますね。

・・・

確かに理屈は
そうかもしれません。

でも、
発達障害の特性をお持ちの方が、
自分が居場所と感じられる
コミュニティに出会えることが
決して、簡単ではないこと
小椋は知っています。

人間に散々、傷ついてきた
過去があると、
人間より昆虫が落ち着く、
ということは大いに
あり得るわけです。

でも、どんなに
昆虫を育てることが
好きで得意でも、
誰かが買ってくれないと
お金は入らない。

せめて、
インセクトブリーダーという
同業との関わりが持てないようだと
それすら、覚束ない。

これと同じジレンマを
多くの発達障害の方、
抱いておられます。

つまり、その地点が、
まさに、前回のテーマであった
生存にかかわる現実
なのですね。

そこに向き合って、
手応えがあれば、
自己効力感を感じることが
できるわけです。

自分と同じ関心・興味を
持っているコミュニティ、

そこに勇気を持って
参加するために必要な
工夫についてなら、
診察室で相談ができますね。

そのコミュニティでの
価値観と評価基準が、
「小さな」他人軸に
なるわけです。

・・・

さて、今回は
以上になります。

次回は、
ダニエル的瞬間の必要条件、

1:自分軸が認知できる。
2:自分軸を信じることができる。
3:自分軸を持つことへの恐怖がない。
4:生存にかかわる現実と向き合っている。
5:他人軸と自分軸とがあまり遠くに離れていない。
6:他人軸の評価が特定の他者に大きく依存していない。

の中の
6:他人軸の評価が特定の他者に大きく依存していない。
これについて
取り組んでみましょう。

・・・

自己肯定感の低さに
悩んでいる時、

特に、
他人軸と自分軸とが
あまりにも遠くに離れている場合、

Do:  
「大きな」他人軸の代わりに
「小さな」他人軸を設定し、
そのコミュニティへの参加を
生存にかかわる現実と捉え、
自己効力感をアップさせる
機会とする。

Don’t:  
「大きな」他人軸での
評価を性急に求め過ぎて
挫折を繰り返す。

いかがでしたでしょうか?
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