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2018/07/16

精神障害者と起業②:コミュニティーを作りサポートプログラムを準備しよう


さて、今回は、
前回に続き、
H30/6/30に行われたイベントの報告です。

前回はこちら↓
精神障害者と起業①:発達障害バーとは

まず、小椋から、
起業をサポートするプログラムについて、
その構想をプレゼン。

PSM、というコンセプトも
簡単に説明しました。
※詳しくは、こちら↓
精神科医療に振り回されないために:サイコソマティック・マイノリティーという見方

精神障害者と健常者、
という対立軸ではなく、
PSMと多数派、という構図へ、
発想を切り替える。

それによって、
精神障害者「でも」起業できる、
というストーリーではなく、
PSM「だからこそ」
多数派へ提供できる価値がある、
というストーリーに切り替える。

ここは、
PSMがビジネスを立ち上げる時、
そのビジネスモデルの
根幹にかかわるので、
説明しました。

そして、このプログラムの
発想の原点になった、
ある患者さんの例を
シェアしました。

・・・

40代、男性(仮名:Aさん)、
自閉症スペクトラム障害に加えて、
双極Ⅱ型障害と
社会不安障害も合併されている、
PSMの方。

独学でイラストの技術を習得した後、
似顔絵作家として
活躍した時期もあります。

でも、
職場の対人関係のしんどさから
抑うつ状態となり、退職。

ポツポツ、かつての顧客から
イラストの依頼があるが、

対応しようとすると、
交渉ベタだし、
未収金の管理などができず、
疲れ切ってしまう。

この才能を活かさないのは
もったいなさすぎる…
と考えた小椋は、
以下を提案。

・・・

小椋が、ココナラに
アカウントを作成する。

ココナラ:スキルの売り買いができる、
ネット上のサイト。

まずは、クライアントに、
ペットの写真を
画像ファイルで送ってもらい、
それを独自のイラストにして
納品する、
というサービスから、開始。

納期の交渉やクレームなど、
クライアントへの対応や、
売上管理など、
全部、小椋がやる。

軌道に乗れば、
以前の顧客も
このサイトから依頼してもらい、
最終的には、ココナラから
オリジナルサイトへ移行する。

・・・

で、実際、いま、
Aさんは、どうなっている?

ココナラで始めるに際しての、
商品サンプルとして、

自分をアピールできる、
今までの作品の画像を何点か
送ってください、と
小椋が依頼してから、
一年以上が経ちました…(!)

どれがいいか選ぶのに
時間がかかる…
また、
診察中では、
ココナラの話題を出す時間が
なかなか取れない、
(で、ハッパをかけるタイミングがない)
などの理由が挙げられます。

・・・

そこで、
小椋がやろうとしている役割を、
数人のスタッフに振り分けて、
サポートプログラムとして
用意しよう、
と思い立ったわけです。

イベントでは、
その具体的なあり方を、
以下のようにお伝えしました。

そのプログラムでは、
eーコマース(ネットショップ)の
ビジネスオーナーになるまでの
コーチングと
実務サポートを提供します。

1ステージが3ヶ月間。
対面またはビデオチャットによる、
週1回、50分/回のコーチングと、
e-ラーニングの課題提出で
構成されます。

第1ステージは
原石磨き」。

自分がもっている
スキルの洗い出しから
商品開発、そして
ココナラなどの
既存のプラットフォームの利用開始と
最初の売上を出すまで。

第2ステージは
副業完成」。

商品を磨き込み、
集客・売上をアップし
さらに複数の商品を用意し、
自社サイトを準備するまで。

第3ステージは
独立・起業」。

自社サイトを立ち上げ、
集客・売上をさらにアップし、
月収>生活費+貯金 となるまで。

第4ステージは
オーナー誕生」。

ノウハウをマニュアル化し、
後任を選定し業務を譲渡する。
そして、
自分が働かなくともビジネスが回る、
オーナーの立場に移ります。

・・・

講演の最後には、
このプランが、実際に
ビジネスとして成立するためには、

どのステージのニーズが高いか、
どれぐらいの価格なら購入者がいるか、
スタッフの人件費をどこまでおさえられるか、
PSMのサポートとビジネススキルを
持ち合わせたスタッフをいかに確保するか…

などが課題だとも、
指摘しました。

そして、質疑応答では、

PSMのコンセプトへの共感や、
こんなサポートを考えている
精神科医がいること自体の驚き、
さらに
プログラムの詳細についての確認などが、
活発に続きました。

・・・

そして、実は、先週の土曜日、
熱心にディスカッションに参加いただいた、
ある当事者の方と、
東京で再び、お会いしました。

ITスキルが豊富で、
関東で当事者会の運営もされ、
現在、
就労移行支援事業所を利用中だが、
起業を目指して
案をねっている…

そのITスキルに関する情報提供や、
プログラムのあり方についての
意見交換など、
2時間弱、アッという間でした。

そしてまずは、
スラック(Slack)というアプリを使って、
PSMの独立・企業に関心のある方の、
コミュニティーを作っていこう、
という具体的な目標設定ができました。

※スラックとは、こちら↓
https://slack.com/intl/ja-jp/features

・・・

さて、
精神障害者でも起業できるのか
という不信がよぎる時、

Do:
スラック(Slack)の
コミュニティができたら、
それに参加してみる。
※用意出来次第、
メルマガやホームページでご案内します。

Don’t:
不信のままにしておく。

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。