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2019/01/02

無力感を克服するためのヒント⑨:スピリチュアル・ランクを高めよう


さて、
無力感の克服をテーマにした
このシリーズ、
今回は9回目で、最終回です。

無力感を克服するための
ポイントは5つありました。

①:自分の短所も活用できる能力
②:感情のコントロール能力(=感情リテラシー)
③:孤立するリスクを引き受ける能力
④:人生のピンチを成長の機会に変えられる能力
⑤:自分のランクを高めに見積もることができる能力

今回は、⑤、ですね。
早速、取り組んでみましょう。

・・・

高めに見積もるとは、
どういうことでしょうか?

一番、わかりやすい例は、
このシリーズの初回でご紹介した、
独房の中のネルソン・マンデラ、
でしょうね。

こちら↓
無力感を克服するためのヒント①:ネルソン・マンデラに学ぶ

周囲の誰もが、
マンデラのことを、
ポジショナル・パワー的にも、
パーソナル・パワー的にも、
最低ランク、と評価していました。

でも、マンデラ自身は、
自分のことを、
教育者、と認識していましたね。

一般的に、教育する側は、
教育される側に対して、
ポジショナル・パワー的にも、
パーソナル・パワー的にも、
上位にランクされます。

つまり、独房の中のマンデラは、
ものすごーく、自分のランクを
高く見積もっていたことになります。

そして、それだけではなく、
その認識に基づいて、
実際に、行動した。

毎日、接する
看守の一人一人に、
静かに、教育者として、
語りかけ続けたわけです。

・・・

なぜ、このように
ふるまうことができたのか?

このシリーズに(9回も?!)
お付き合い頂いた読者の方には、
もう、おわかりだと思います。

独房の中で、マンデラは、
5つのポイントの、
①②③④に取り組み、
成長したからだ、と言えます。

その結果、
パーソナル・パワーが
メキメキとついてきて、

周囲の多数派が下す、
低ランクという評価とは別に、

自分のパーソナル・パワーに基づいた、
自分なりのランク付けを自覚して、
周囲に接することができた。

これが、⑤の、
高めに見積もる、
ということの、実情です。

・・・

でも、そんなマンデラにも、
他に二つ、
選べる道があったはずです。

一つは、
①②③④に取り組むことができず、
周囲の低ランク評価に甘んじ、
たましいの抜けたような存在と化す、
無気力マンデラ」。

もう一つは、
①②③④に取り組んだ結果、
⑤:自分のランクを高めに見積もること、
それができるようになったが、
その、パーソナル・パワーを
周囲をねじ伏せるために使ってしまう、
高飛車マンデラ」。

あまり、想像ができませんが(苦笑)
例えば…、

「お前はそんなこともわからんのか?!」
「だから、○○、なんだ」
「おれみたいに▢▢を知れば、そんなくだらん仕事をせずにすむぞ」
「私の価値を理解できないヤツは地獄に落ちるだろう」

などと、
看守に罵声を浴びせ続ける、マンデラ。

これは、
パワーの「堕落した」姿、
でしたね。

・・・

その、どちらの谷間にも
落ち込むことなく、
成長を続けることができた
独房の中のマンデラは、
「○○マンデラ」と呼べば、
よいでしょうか?

そう…、
「スピリチュアル・ランク」が高い
マンデラ、
と呼びましょう。

もっと正確に言うと、
その高いスピリチュアル・ランクを
堕落させずに使えるマンデラ、
ということになります。

・・・

説明しましょう。

スピリチュアル・ランクが高い、とは、
ここでは、

ヒトの4つの機能の一つ、
「信じる」という機能を、

フル活用して
①②③④に取り組む中で、

周囲のポジショナル・パワーの圧にも
ひるむことのない
パーソナル・パワーを獲得し、

その結果、
⑤を獲得することができた状態、
と定義しましょう。

逆に、
スピリチュアル・ランクが低い、とは
①②③④⑤の能力が低い状態、
ですね。

スピリチュアル・ランク
(spiritual rank)
という用語は、

このシリーズの原典となった
『ガイド』にも、
その背景にある
プロセス指向心理学にも
重要な概念として登場します。

もちろん、この
スピリチュアル・ランクにも、
ポジショナル・ランクと同様、
使い方を誤れば
「堕落する」リスクは、
常にあるわけです。

・・・

ところで、なぜ、ここで、
「スピリチュアル」という言葉が
出てくるのでしょうか?

通常、スピリチュアルとは、
精神性、精神世界に関する、とか、
霊性、宗教性に関する、とかの意味に
解されています。

でも、このメルマガでは、
次のように、定義しましょう。

ヒトの4つの機能のうち、
「動く」「感じる」「考える」
だけでは説明のつかない、
もう一つの機能、「信じる」、
それに関することである、と。

※だから、必ずしも、
宗教的な話題である必要はない。

そして、このシリーズでは、
あえて、あまり、「信じる」
という機能については、
語ってきませんでした。

根性論みたいになると、
暑苦しくなるので(苦笑)。

しかし、
①②③④⑤の能力を
身に付けようとする努力は、
すべて、この
「信じる」という機能を
パワーアップさせる結果になります。

また、この
「信じる」という機能が
パワーアップしない限り、
①②③④⑤の能力は、
身につきません。

つまり、実は、このシリーズは、
そうは、語ってきませんでしたが、
この「信じる」という機能の
パワーアップを意図していたのです。

だから、
このシリーズが示してきた
具体的な方法は、
スピリチュアル・リテラシー
と総称することが、自然ですね。

よって、
ヒトの4つの機能のうち、

「感じる」に対しては、
感情リテラシー、

「考える」に対しては、
認知リテラシー、

「動く」に対しては、
身体リテラシー
(ストレッチ等を紹介してきました)

そして、
「信じる」に対しては、
スピリチュアル・リテラシーが、

用意できたことになります。

・・・

さて、ここまでくれば、
このシリーズ全体のメッセージを、
簡明に整理することが、
できますね。

無力感を克服するには、
スピリチュアル・リテラシーに取り組み、
パーソナル・パワーを向上させ、
自分のスピリチュアル・ランクを高め、
自分のポジショナル・ランクの低さを補い、
周囲からのポジショナル・パワーの圧力を
押し返していくこと。

ただし、
そのスピリチュアル・ランクによるパワーを
堕落させずに用いること。

・・・

さて、今回は
やや抽象的なお話になりましたが、

このシリーズで取り組んできたこと、

①:自分の短所も活用できる能力
②:感情のコントロール能力(=感情リテラシー)
③:孤立するリスクを引き受ける能力
④:人生のピンチを成長の機会に変えられる能力

その全てが、
自分のスピリチュアル・ランクを上げること、
それにつながるのだ、
という自覚をもってもらうことが、
大切と思い、まとめました。

その自覚が、
⑤:自分のランクを高めに見積もることができる能力
を可能にするのです。

・・・

『ガイド』では、
⑤を持つことによる実践上のメリットについて、
3点、まとめています。
最後に、簡単に説明しますね。

一つは、
低ランクによる恐怖を緩和できること。

自分は、確かに
ポジショナル・ランクは低いが、
スピリチュアル・ランクは相手より高い、
と自覚することの、
感情リテラシー上の効果、ですね。

もう一つは、
ポジショナル・ランクの高い相手との
終わりなき争いを
収束に向けやすくすること。

相手が高ランク、
自分は低ランク、という状況に
変化が乏しいとき、
争い(というか、圧政)は、
延々と続きます。

そこで、
自分に高ランクの部分があると自覚し、
それにそって(マンデラのように)
自分の行動を変えると、
相手の行動に変化が生じる可能性が
でてきます。

最後の一つは、
自分が十分に自覚できていない
パーソナル・パワーを発見できること。

低ランクの状態を延々と味わってきた
自分の療養生活が、実は、

自分の中に、
どんなパーソナル・パワーを育ててきたのか、

それが、実は、
周囲の人間よりも、どれだけ、
自分のスピリチュアル・ランクを上げているか…。

それを知るには、まずは、
スピリチュアル・ランクというコンセプトを
知る必要が、あるわけです。

・・・

さて、
ポジショナル・パワーに対抗できる
パーソナル・パワーを身につけるため、
⑤:自分のランクを高めに見積もることができる能力
育てようとする時、

Do:
スピリチュアル・リテラシーに取り組み、
スピリチュアル・ランクを高め、
そのランクを自覚することで、
ポジショナル・パワーに向き合う。

Don’t:
無気力マンデラか、
高飛車マンデラになる。

いかがでしたでしょうか?
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