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2018/02/14

感情リテラシー速攻コース⑥:さみしさと悲しみ


感情リテラシーのテキストを補う、
速攻コースも、そろそろ終盤です。

テキストは、こちら↓、でした。
うつ病の治し方:感情リテラシー入門①〜愛と悲しみ編
うつ病の治し方:感情リテラシー入門②〜イヤイヤとワクワク編
うつ病の治し方:感情リテラシー入門③〜希望編

前回はこちら↓
感情リテラシー速攻コース⑤:イライラと怒り(その2)

今回は、
さみしさ悲しみについて
サクッと整理します。

ポイントは、
状況→感情→行動
このセットでしたね。

・・・

まず、さみしさです。

<さみしさ>

愛が不十分にしか得られない

さみしさ

愛を求める

…なのですが、
そもそも、愛って
何なんでしょう?

感情リテラシー的には、
愛とは

生存競争に必要なサポートを
無条件に提供する行為、
と捉えます。

原風景は、
母が、我が子に、
母乳をあげる、
あの光景でしょう。

もちろん、
ヒトの4つの機能にそって、
多くのカタチがあり得ます。

・衣食住の提供
・経済的なサポート
・子孫を残すためのパートナーとなる
・病気のケアをする
(動く、のサポート)

・相手の感情を受け止める
・相手の感情に適切に反応する
・相手の痛みに適切に反応する
(感じる、のサポート)

・相手の考えや信念を尊重する
・その考えや信念が生存に不利な場合、
それを指摘する
(考える、信じるのサポート)

これらのサポートが
低下する場合、
生存にとって、ピンチです。

サポートが低下する4つの機能の、
その範囲や、
その低下の程度によって、
さみしさの感情も、
その強さが、変化します。

パートナーが多忙で、
話しかけても、返事がうわのそら…
その点以外は、問題ない…
そんな時、
なんとなく、さみしい、
という感じになりますね。

一方、
見捨てられ不安の強烈な
境界性パーソナリティ障害の方。
自分の4つの機能の全てのサポートを
一人のパートナーに求めている…。

その人物との関係が悪化したら、
全面的にサポートが低下します。
すると、さみしさで半狂乱…。
激痛に近い、さみしさの感情になります。
恐怖に近づく、とも言えます。

いずれにせよ、
その、さみしさという
感情のサインを自覚した時、

適切な行動は、
不足したサポートを
適切な相手に求める、
ということになります。

この場合、
愛を、血液に例えるなら、
不足した血液を、
誰かに輸血してもらう
というイメージが近いです。

具体例は、
実は以前のメルマガで、
すでに紹介しています。
こちら↓
うつ病の治し方:感情リテラシーの達人に学べ

妻を喪った初老の男性。
それによって
低下したサポートの一つは、
感情を受け止めてくれる相手が
いなくなった、ということ。

だから、
自分の感情を適切に受け止めてくれる、
お通夜や葬儀の参加者に、
さみしさ、という感情を
率直に語り、受け止めてもらった…。

・・・

この、さみしさと比較すると、
悲しみは、
ちょっと、違います。

<悲しみ>

愛を失う

悲しみ

生存戦略の立て直し

これ、
どういうことでしょうか?

ポイントは、
愛を失っても、
愛が不十分、という状態
(=さみしさ)にまでは、
至ってない、ということ。

もう一度、先ほどの、
初老の男性に登場してもらいましょう。

親族や、友人知人などの、
残された対人関係のサポートで
「さみしさ」は、軽減した。
しかし、
「悲しみ」が残っている。

この、
「悲しみ」という感情は、
どんな行動を促す
サインなのでしょうか?

亡くなった妻は、
もう、もどってはこない。
だから、妻のいない生活を、
組み立てていくしかない。

いままで、妻からもらっていた
いろんなサポートを、
別のルートから、得るしかない。
そのルートを探すしかない。

つまり、それが、
生存戦略の立て直し、
ということです。

臨床心理では、
この立て直しを、
喪の作業」と呼んでいます。

長年連れ添ったパートナーは、
多くの場合、
ヒトの4つの機能の全領域で、
深いつながりをもっているものです。

いわば、肉体の一部となっている、
とも言えるでしょう。

それが、亡くなる。
まるで、手足がもがれる、
という感覚が近いでしょう。

出血、ですね。

だから
生存戦略の立て直し
(=喪の作業)とは、
止血作業、
と例えてよいでしょう。

失ったサポートを振り返り、
自覚し、
それを別のカタチで得られるようにする、
その地道な、自分の中での調整。

それは、どうしても、
一人の作業となるため、
一見、引きこもったような状態に、
周囲からは見えるかもしれません。

でも、傷口を、周囲がいじり回すと、
うまく止血できないように、
じっと見守る、そんな環境も大切です。

でも、
失ったものが大きすぎる場合、
この作業が
うまくすすまない状況があります。

複雑性悲嘆(ふくざつせいひたん)という
うつ病の一つの型に
至ってしまう場合もあります。

その場合は、カウンセリングや医療の
サポートが不可欠ですね。

・・・

もちろん、
さみしさと悲しみが、
混在する場合も多いです。

でも、
とるべき行動が、違います。

例えるなら、
さみしさは「輸血」、
悲しみは「止血」。

愛が失われる状況で起きる、
二つの感情。

できるだけ、
区別できるようにする。

それが、
この二つ感情のリテラシーの
上達のコツです。

・・・

さて、
大切なものを失い、
強い感情に押し流されそうな時、

Do:
その感情が、
「さみしさ」なのか
「悲しみ」なのか、
それが、どの程度、
まざっているのか、
腑分けする。

Don’t:
その腑分けができないまま
適切な行動がとれず、
うつ病になる。

<簡単なワーク>
今までの人生で、
マックス、さみしさ感じたのは、
どんな時ですか?
その体験を、
状況→感情→行動、
このセットに
まとめてみましょう。
それは、
感情リテラシーとして
機能していましたか?

悲しみについては、
どうでしたか?

いかがでしたでしょうか?
同じ悩みをお持ちの方は、
ぜひ一度、お問い合わせください。